島を想う|「 離島 」を舞台にしたおすすめ小説5選

キラキラとした海にどこまでも続く空。
ゆったりと流れる時間。

そんな島の風景を想いながら
どこか心がほっとなるような前向きになれるような
そんな「離島」を舞台にした小説を集めました。

01「 お父さんはユーチューバー 」
浜口 倫太郎

お父さんはユーチューバー
離島、小説

宮古島に住む絵を描くことが大好きな小学五年生の海香。将来は東京の美術大学に入りたいと思っていた。
そんなある日、父親の勇吾が突如宣言 ー
「俺はユーチューバーになる!」
お調子者の父親が突然言い出したその本意とは ...?

宮古島の自然とゲストハウス「ゆいまーる」を舞台に、父と娘、またそこに集う人々を通じて描かれる温かい家族の物語。不器用すぎる真っ直ぐなお父さんの愛情に、最後は思わず涙が溢れます。
宮古ブルーと言われる美しい海と自然と、家族愛。

この世に生まれてきてくれて、俺に育てさせてくれて本当にありがとう!

02「 海とジイ 」 藤岡 陽子

離島、小説。海とジイ。

”生き抜く力”を与えてくれる3人のジイ
瀬戸内の小さな島の3人の素敵なジイたち。漁師のジイ、地元医療に尽くしてきた医師のジイ、石の博物館館長を務めるジイ。三者三様の方法で”生き抜くこと”の大切さを静かに伝えてくれます。

強くなりたいと願った時に、
人はもう強くなってるもんじゃ。

長きにわたって時代を生き抜いてきた姿。瀬戸内の自然の大きさと強くて優しいジイの存在が、広く柔らかく、心にそっと寄り添ってくれます。
その時がきたら自分は後世になにを伝えていくのだろう?そんなこを考えながら、こんな風に経験を重ね素敵な歳のとり方をしていきたいなあと思います。

03「 みどりの海を覚えている 」
馳月 基矢

離島、小説。みどりの海を覚えている

きれいだね。ここの海は、本当にきれい
職場でトラブルを起こし仕事も居場所も失った奈波は、五島列島の祖母のもとで過ごすことに。そこで奈波はどこか懐かしい少年と出会う。彼とともに過ごすうちに少しずつ小学校時代の出来事を思い出して...。

わたし、こんなにかけがえのないものをいくつも持ってたんだね。

懐かしい景色を辿りながら忘れていた大切なものを一つずつ拾い集めていくように、心の奥にしまっていた宝箱をそっと開いていくように自分を取り戻していく。そんなひと夏の不思議な体験が綴られた、現代ファンタジーの物語です。
思わず手に取りたくなるような表紙のイラストがとても素敵です。

04「 くちびるに歌を 」
田中 永一

離島、小説。くちびるに歌を

拝啓、十五年後の私へ。
五島列島のある中学合唱部では、コンクール出場に向けて課題曲を練習する毎日が続いていた。生徒たちには曲にちなみ十五年後の自分に向けて手紙を書くよう課題が出されたのだが、彼らが書いた手紙には誰にも話せない秘密が綴られていた。

大人になっていくのだ。
甘くて苦い、今を生きるために。

それぞれの悩みや葛藤を抱えながらも合唱を通じてひとつになっていく姿。それぞれが書く十五年後の自分への手紙。Nコンの課題曲となったアンジェラ・アキの「手紙〜拝啓十五の君へ〜」がモチーフとなっており、思春期のすべてを詰めこんだような、そんな青春小説です。
誰もがもつ十代の自分を重ねながら、改めて読む「手紙」の歌詞に戻らぬあの日々が蘇ります。
設定に違いはありますが、新垣結衣さん主演で映画化もされているのでそちらもおすすめ。

05「 なんくるない 」
よしもとばなな

離島、小説。
なんくるない よしもとばなな

心ここにあらずの母、離婚の傷が癒えない私、忘れられない大切な人、少女に翻弄される僕。沖縄を舞台に描かれる四つの人間模様。

わかってもらえるということはただそれだけで、もう「今寝てもいいよ」っていうふうにふわふわに整えられたベッドを用意してもらっているのと同じくらいに、ほっとさせられるものだ。

なんてことない、どうにかなるさ。沖縄という土地の持つ不思議なパワーと筆者の繊細で温かい表現に、何かに行き詰まったとき疲れたとき、そっと背中を押してくれるような、そんな本です。

-島旅本
-