どこか異国の空気と文化が混ざり合う沖縄。
観光地の顔だけでない、
生活の匂いやリアルな沖縄を舞台にした
小説を集めました。
青い海と南風に包まれながら、
ページをめくるたびにきっと、
やさしい気持ちにさせてくれます ♩
ホテルジューシー
坂木 司

ひょんなことから沖縄の超アバウトなゲストハウスで働くことになった女子大生のヒロちゃん。しかし待っていたのは昼夜二重人格のオーナーに規格外の従業員、訳ありのお客さん。そんな”ホテルジューシー”を舞台に繰り広げられる奮闘と出会いと笑いと涙とちょっぴりドキドキの、ひと夏の成長物語。
完璧ではない自分、うまくいかなかった過去、言葉にできない孤独ー。それぞれの心の傷は、緩やかな時間と人との出会いの中で少しずつ形を変えていく。
人生はたまに、他人の手でかき混ぜられた方が面白い。
人生は寄り道しても良いのだと、そっと背中を押してくれる一冊です。
アンマーとぼくら
有川 ひろ

親孝行の三日間、あなたは何を伝えますか?
母の休みに付き合うため沖縄に帰省した主人公。ガイドをしている母とともに家族の思い出の地を巡るうちに、主人公は不思議な感覚にとらわれる。母と過ごす三日間。この三日間が意味するものとは、、。
言いたかったことは、今の君が言えばいい。
”アンマー” は ”お母さん”を意味する沖縄の言葉。母親への感謝の気持ちを綴った かりゆし58の楽曲「アンマー」から着想を得た作品で、あるひとつの家族の愛とそれぞれの幸せを想う気持ちがたくさんつまった物語です。
沖縄の観光名所もたくさん出てくるので旅行気分に浸ることも。青く輝く沖縄の海が恋しくなります。
カフーを待ちわびて
原田 ハマ

「もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください」
ゆるやかな時間が流れる沖縄の小さな島。一枚の絵馬と一枚の手紙から始まる、優しくて、温かくて、ちょっぴり切ない恋の話。偶然に見えた二人の出会いは、思いもよらない運命的な愛の結末へ。
幸せはいくら待ってても、やって来ない。自分から出かけていくなくちゃ、見つけられないんだ。
原田さんのデビュー作品であり、自然とやさしい気持ちになれる作品と絶賛された第一回『日本ラブストーリー大賞』受賞作品です。
14歳の水平線
椰月 美智子

ー誰にでも忘れられないたった一度の「14歳の夏」があるー 。
夏休み、父に誘われ故郷の南の島へ。そこで中二男子限定のキャンプに参加する思春期真っ只中の14歳の加奈太と、たちまち30年前の日々に引き戻される父 征人。飛び込みに熱中し、喧嘩で殴り合い、自意識を持てあまし、初恋に身を焦がし、友情を知り、身近な死に直面する。
これから、それぞれが自分の場所に帰ってゆくのだ。みんなちゃんとわかっていた。暑い夏に出会った、ひと夏の友達。
14歳の息子と、かつて14歳だった父。いつの時代も変わらぬ思春期の揺らぎと迷い、かけがえのないあの瞬間。14歳の少年が心身すべてで感じとったものを余すことなく描いた成長物語です。
宝島
真藤 順丈

俺たちの故郷、”宝の島”を取り戻す。
米軍基地に忍び込み略奪した物品を住民に分け与える”戦果アギャー”。あの夜、シマいちばんの英雄が消えた。彼が手にしていたという”予定にない戦果”とは一体何なのか。
希望を祈るな。立ち上がり掴み取れ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。信じよう仲間との絆を、美しい海を、熱を、人間の力を。
沖縄の戦後1952年から1972年の本土返還までの約20年間。故郷と基地、沖縄とアメリカ、現在と過去。本土復帰に向けた大きな流れに翻弄されつつも、歴史の荒波に抗い、生きる意味を問いながら激動の時代を強かに生き抜く若者の姿が描かれる。
第160回直木賞始め文学賞三冠達成の傑作です。
でいごの花の下に
池永 陽

死を暗示するメモを残して失踪したカメラマンの恋人を追って、燿子は彼の故郷である沖縄へ飛ぶ。そして出会った人々それぞれの過去や今に触れながら、行方知らずの恋人の秘められた驚愕の真実を知っていく。
世の中にはさ、知らない方がいいってこともあるんじゃないかねえ
青い空と海、太陽と風に包まれて愛した男を追い続ける。燿子は失った愛を見つけることができるのか。
南の島で奏でられた生命の讃歌、切なくまっすぐな純愛小説です。
風のマジム
原田 マハ

沖縄産のラム酒を造る。
大東の、サトウキビを使って。
こちらは実話を基に描いたサクセスストーリーで、沖縄の派遣社員まじむが、南大東島のサトウキビで純国産ラム酒をつくる夢に挑み、周囲を巻き込んで契約社員から女社長へと駆け上がる奮闘記。
大事なのは誰もやってないことをやってみるってこと。それよりも大事なことなんてない。
南大東島の景色、人々の温かさ、サトウキビの香りを感じながら、夢を諦めず、真心(マジム)を持って前進する姿に勇気がもらえる一冊です。
小さな恋のうた
平田 研也

届け。
あなたに ー 。
亮太、慎司、航太郎、大輝は高校の軽音学部に所属する人気バンド。4人の絆は音楽で固く結ばれていた。しかし思いがけないプロへの誘いを受けた帰り道、突然の事故が彼らの運命を変える。
大丈夫だ。
俺たちの進む先には、音楽がある。
映画『小さな恋のうた』を原案として著者が書き下ろした小説で、沖縄を舞台に恋、友情、そして別れ。MONGOL800の曲から生まれた真っ直ぐに生きる高校生たちの青春物語です。
虹の音色が聞こえたら
関口 尚

三線の七色の音が空を割っていく。
虹の音色だ。
小5の眠人は昼間から酒に溺れる父を避け、夜まで公園で過ごす毎日。唯一の理解者は、家庭に事情がありながら元気に過ごす同級生の竜征。そんなある日、公園の東屋に女子高生が来て、三線という沖縄の楽器を弾き始めた。眠人はその音色に魅了される。彼の人生に新しい風が吹いた瞬間だった。
人との出会いは風なんだ。出会って風が吹き、心持ちが変わる。出会いは風。
三線との出会いで開いた人生の扉。読み終わると優しく爽やかな風が吹き抜けるような爽快感と温かい気持ちになり、沖縄の青い海と空をバックに、三線の音色が響き渡る。そんな風景が目の前に広がります。
ファイアーキングカフェ
いしかわ じゅん

那覇、ここじゃないどこかを探して。
居場所をなくした男たちが、生きる意味を探す女たちが、自分の居場所を求めて那覇の街に流れ着く。ディープな「那覇」を背景に、心の中の大切な何かを喪いながら、他人との出会いに新しい自分を見つけていく人々の姿を描く連作長編。
確かなもののない、流れている街で、俺は初めて安らいだ。
観光客が求める楽園のような沖縄ではなく、独特の文化が交わる人間臭さみたいな影の部分が描かれた沖縄の日常。短編集だが全編繋がりのある話になっていてまた面白い。
心の拠り所は人それぞれだけど、それでも一番大切にしたいものだけは忘れすに生きていたいと、そんなことを思いました。