香川県の高松港から船で約35分。
アートの島で有名な
瀬戸内海に浮かぶ「豊島(てしま)」
今回紹介するのは、島の中央にある
「壇山(だんやま)」と呼ばれる山です。
島随一の絶景スポットなので、
時間に余裕があるなら
ぜひ登ってみて欲しい しま山です。
「 壇山 」って、どんな山 ?
「壇山」は、島のほぼ中央にあり標高は340m。
”しま山100選”にも選ばれていて、山頂までは塗装された道が続いているのでハイキング気分で気軽に登ることができます。
「しま山100選」とは
(公財)日本離島センターが、海に囲まれた島の山々の個性や魅力にスポットを当てて全国の離島を対象に選定されたもの。
「しま山」を通して島の魅力を再発見してもらい、交流の促進に繋げていくことがねらいです。
船が発着する家浦港・唐櫃港どちらからもアクセスが可能で、山頂展望台からは360°のパノラマ絶景。
山頂展望台から少し南下した位置にある岡崎公園展望台からは、男木島や女木島・高松市街も見ることができます。
また中腹にある豊峰権現社では、県の自然記念物に指定された”スダジイの森”が広がり、太古の森の雰囲気を味わうことができます。
しま山100選 NO49
・香川県土庄町 豊島 ・標高 340m
・距離 約4km (家浦港から片道)
・歩行時間 約1時間30分(家浦港から片道)
▼ 登山口までのアクセス
家浦港から徒歩15分(自転車も可)
▼ 登山道
展望台のある山頂付近までは道路が整備されている
▼ 注意点
一部塗装されていない道もあるので注意。
最低限履き慣れたスニーカーで
トイレや水場はないので予め準備が必要
▼ 問い合わせ
土庄町役場 0879-62-7014
"登山で見つける新しい島の魅力 しま山100選”より
家浦港から山頂展望台へ!
今回は家浦港から、山頂を目指します。
山道途中にはトイレや自販機はないので、お手洗いや水分の確保は港で済ませておきます。
家浦港で船を降りたら、島を一周するメイン道路(国道255号線)を時計回りに歩くこと10分ほどで壇山頂上展望台への看板を発見。
ここから島の中央へと入っていき、「壇山」登山のスタートです。
山頂付近までは塗装された道路が続くのでスニーカーなどで問題なし。
朝一、船で一緒だった観光客らしき人たちはあっという間にそれぞれの目的地へ。
壇山を目指すのはおそらく一人だけ。とっても静かな山歩きです。
この日は10月の中旬。
黄金色に揺れるススキに黄色の背高泡立草、秋色に変わりつつある葉っぱにどんぐり、松ぼっくり、紫色に実るオリーブの木。
所々に秋の島景色を発見して、倍楽しい。
そして少し登ればさっきまでいた家浦港を見下ろしていて
上を見上げれば青空に映える葉っぱのアートがこんにちは。
なんでもない道だけど、立ち止まってばっかりでなかなか進まない道路の道。
気付けば”イノシシ注意”の看板がありました。(実際に野生のイノシシはいるらしい)
鳥の囀りも、風が吹き通る音も、見え隠れする太陽の光も、独り歩く孤独感も、全てが堪らない山歩き。
そんなこんなで1時間ほど歩くと途中にベンチを発見。
見晴らしの良いベンチでひと休憩したら、山頂はもうすぐです。
壇山頂上展望台
登山口の看板から約1時間半弱で、壇山の山頂展望台へと到着です。
山頂には展望台と電波塔が立っていて、少し開けた広場になっています。
鮮やかな黄色が綺麗なこの展望台は、ボランティアの有志を募ってつくられたそう。
以前の木造の展望台からこちらの展望台にかわったのは、コロナ禍の2011年ということでまだできたばかり!
展望台からは唐櫃地区を眼下に棚田に囲まれた豊島美術館、そして360°のパノラマ、瀬戸大橋まで見渡すことができます。
何年も前にはじめて豊島に来た時は「壇山」の存在も知らず、港で声をかけられた島のおじさんに「島で一番綺麗な景色を見せてあげよう!」とトラックで連れてきてもらったのがこの壇山の頂上でした。
おじさんの「ほーら、最高じゃろ?」と言わんばかりの嬉しそうな、誇らしげな顔が今も忘れられません^^
壇山 岡崎公園展望台
頂上展望台から少し南下した位置に、もう一つのビュースポットがあります。
途中に豊玉姫神社を通過。
しばらくすると見えてくるのは、グリーンの六角屋根が可愛い展望所「岡崎公園展望所」です。
ベンチが並んでいて、ロケーションは最高!
先ほどの頂上展望台とは逆サイドで、男木島や女木島、屋島と高松方面を見渡すことができます。
島の人たちも、ここへきてピクニックやランチをしたりする人も多いのだとか ♩
穏やかな海と、青い空と、島の集落と、パノラマビュー。
その全てを見渡せることができるのがしま山の醍醐味です。
やっぱり島に来て、山に登る人ってまだまだ少ないみたい。こんな景色も独り占めできちゃうからしま山ってほんと、素敵です。
豊峰権現社(スダジイの森)
そしてここまで来たらぜひ立ち寄りたいのが、壇山中腹に突如として現れる豊峰権現社(スダジイの森)です。
山頂を過ぎ、唐櫃地区へ下っていく途中に位置します。
ここは県の自然記念物に指定されていて、島の人たちからは「トトロの森」の愛称で親しまれているそう。
スダジイとは椎木(しいのき)のことで、これほどのまとまったスダジイの森は島嶼部では豊島だけといわれています。
中には樹齢250年をこれるとされるスダジイの巨木も。幹回りは4m以上の大木です。
スダジイの大木に混ざってカゴノキ、ヤブニッケイ、ヒサカキなども生い茂っていてまるで原生林のような世界。
そして神秘的な空気が漂っている豊峰権現を祀ったスダジイの森一体。
足を踏み入れるとまるで別世界にきたような感覚です。
緑の苔が生えた巨岩に、空を覆い尽くす森の葉で昼間なのに薄暗く、とても静か。
この神社とかお寺のような独特な厳かな空気って、もちろん一人でいる怖さもあるんだけど、どこかでちゃんと守られているような、不思議な感覚がありますよね。
壇山頂上付近の塗装された道路とは違い、ここはアートの島とは一見違った 太古の自然の世界を見ることができます。
そのまま唐櫃地区へ。
アートの世界も楽しめます
スダジイの森を抜けるともう一つの港がある唐櫃地区へ抜けることができます。(引き返して家浦港に戻るかの二択)
森の中にあるクリスチャン・ボルタンスキー作「ささやきの森」や、世界中の人の心臓音が聞ける図書館「心臓音のアーカイブ」。
唐櫃地区には他にも、美しい棚田や豊島美術館、マルチバスケットボールなどアート作品やフォトスポットが点在しています。
朝一で壇山に登ったら、午後は島内のアート巡りも♩
ただ見所たっぷりの島なので、一日じゃとても足りないくらいです!!
詳しい豊島の観光スポットは別記事で紹介しているのでぜひご参考に。
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自然とアートの島【豊島】のおすすめ観光スポット10選♩
穏やかな瀬戸内海に浮かぶ自然とアートの島、豊島(てしま)のおすすめ観光スポットの紹介。
続きを見る
まとめ
アートの島として人気が高い「豊島」ですが、壇山からの景色を知らずに帰るのはもったいない!
低山でも、頂上から見下ろす大海原。見渡す多島美。
この景色が見れるのって、島の山だからこそなんです。
穏やかな瀬戸内海の絶景が待っています。
ちなみに、壇山に初めて来たのは島のおじさんの軽トラだった話をしました。
登山道は塗装された道なので、車や電動自転車で頂上付近まで行くことも可能です。(決して道路は広くないのと途中砂利道もあるので注意が必要ですが)
そして今年2022年は三年に一度の瀬戸内国際芸術祭が開催されているので、賑わいをみせるアートの島。
この時期だからこそ、ますます穴場スポットな「しま山」です。
同じ芸術祭の舞台ともなる周辺の小豆島や本島、粟島にも、さらに言えば瀬戸内の島には多くのしま山100選に選ばれた山があるので、そんなしま山巡りの旅もおすすめです^^
海を渡ると、そこは島時間。日常からちょっと離れて、島旅・山旅にでかけてみましょう。山から島を眺めれば、島の形や人々のくらしの場、島を囲む美しい海や砂浜、遠くの島々まで見渡すことができ、その島をもっと身近に、もっと好きになれるはずです。
https://www.nijinet.or.jp/about/activities/tabid/200/Default.aspx 公益財団法人日本離島センターHPより
全国の「しま山100選」網羅の
ガイドブックはこちらから