香川県の高松港から船で約35分
アートと豊かな自然に囲まれた豊島
今回紹介するのは
島の中央にある「壇山」と呼ばれる山。
瀬戸内海の多島美を眺めることのできる
島随一の絶景スポットです。
豊島のしま山100選「 檀山 」

「壇山」は、島のほぼ中央にあり標高は340m。
しま山100選にも選ばれていて、山頂までは塗装された道が続いているのでハイキング気分で気軽に登ることができます。
船が発着する家浦港・唐櫃港どちらからもアクセスが可能で、山頂展望台からは360°のパノラマ絶景。

山頂展望台から少し南下した位置にある岡崎公園展望台からは、男木島や女木島・高松市街も見ることができます。

また中腹にある豊峰権現社では、県の自然記念物に指定された”スダジイの森”が広がり、太古の森の雰囲気を味わうことができます。
家浦港から山頂展望台へ!

今回は家浦港から山頂を目指します。山道途中にはトイレや自販機はないので、お手洗いや水分の確保は港で済ませておきます。
家浦港で船を降りたら、島を一周するメイン道路(国道255号線)を時計回りに歩くこと10分ほどで壇山頂上展望台への看板を発見。
ここから島の中央へと入っていき、壇山登山のスタートです。山頂付近までは塗装された道路が続くのでスニーカーなどで問題なし。


朝一、船で一緒だった観光客らしき人たちはあっという間にそれぞれの目的地へ。壇山を目指すのはおそらく一人だけ。とっても静かな山歩きです。
この日は10月の中旬。
黄金色に揺れるススキに黄色の背高泡立草、秋色に変わりつつある葉っぱにどんぐり、松ぼっくり、紫色に実るオリーブの木。


所々に秋の島景色がありました。
少し登ればさっきまでいた家浦港を見下ろしていて

上を見上げれば、青空に映える葉っぱのアートがこんにちは。

なんでもない道だけど、立ち止まってばっかりでなかなか進まない道路の道。
気付けば”イノシシ注意”の看板がありました。(実際に野生のイノシシはいるらしい)

鳥の囀りも、風が吹き通る音も、見え隠れする太陽の光も、独り歩く孤独感も、全てが堪らない山歩き。

そんなこんなで1時間ほど歩くと途中にベンチを発見。


見晴らしの良いベンチでひと休憩したら、山頂はもうすぐです。
檀山頂上展望台へ到着

登山口の看板から約1時間半弱で、壇山の山頂展望台へと到着です。
山頂には展望台と電波塔が立っていて、少し開けた広場に。
鮮やかな黄色が綺麗なこの展望台は、ボランティアの有志を募ってつくられたそう。

以前の木造の展望台からこちらの展望台にかわったのは、コロナ禍の2021年ということでまだとても綺麗でした。
展望台からは唐櫃地区を眼下に棚田に囲まれた豊島美術館、そして360°のパノラマ、瀬戸大橋まで見渡すことができます。


何年も前にはじめて豊島に来た時は「壇山」の存在も知らず、港で声をかけられた島のおじさんに「島で一番綺麗な景色を見せてあげよう!」とトラックで連れてきてもらったのがこの壇山の頂上でした。
おじさんの「ほーら、最高じゃろ?」
と言わんばかりの嬉しそうな誇らしげな顔が今も忘れられません^^

檀山 岡崎公園展望台

頂上展望台から少し南下した位置に、もう一つのビュースポットがあります。
途中に豊玉姫神社を通過。

しばらくすると見えてくるのは、グリーンの六角屋根が可愛い展望所「岡崎公園展望所」です。
ベンチが並んでいて、ロケーションは最高!

先ほどの頂上展望台とは逆サイドで、男木島や女木島、屋島と高松方面を見渡すことができます。
島の人たちも、ここへきてピクニックやランチをしたりする人も多いのだとか ♩

穏やかな海と、青い空と、島の集落と、パノラマビュー。その全てを見渡せることができるのがしま山の醍醐味です。
やっぱり島に来て山に登る人ってまだまだ少ないみたいで、こんな景色も独り占めできちゃうからしま山ってほんと、素敵です。
豊峰権現社(スダジイの森)

そしてここまで来たらぜひ立ち寄りたいのが、壇山中腹に突如として現れる豊峰権現社(スダジイの森)です。
山頂を過ぎ、唐櫃地区へ下っていく途中に位置します。

ここは県の自然記念物に指定されていて、島の人たちからは「トトロの森」の愛称で親しまれているそう。
スダジイとは椎木(しいのき)のことで、これほどのまとまったスダジイの森は島嶼部では豊島だけといわれています。中には樹齢250年をこれるとされるスダジイの巨木も。幹回りは4m以上の大木です。

スダジイの大木に混ざってカゴノキ、ヤブニッケイ、ヒサカキなども生い茂っていてまるで原生林のような世界。
そして神秘的な空気が漂っている豊峰権現を祀ったスダジイの森一体。

足を踏み入れるとまるで別世界にきたような感覚です。
緑の苔が生えた巨岩に、空を覆い尽くす森の葉で昼間なのに薄暗く、とても静か。

この独特な厳かな空気って、もちろん一人でいる怖さもあるけど、どこかでちゃんと守られているような不思議な感覚がありますよね。


壇山頂上付近の塗装された道路とは違い、ここはアートの島とは一見違った 太古の自然の世界を見ることができます。
そのまま唐櫃地区へ
アートの世界も楽しめる豊島

スダジイの森を抜けるともう一つの港がある唐櫃地区へ抜けることもできます。
森の中にあるクリスチャン・ボルタンスキー作「ささやきの森」や世界中の人の心臓音が聞ける図書館「心臓音のアーカイブ」。
唐櫃地区には他にも美しい棚田や豊島美術館、アート作品やフォトスポットが点在しています。
朝一で壇山に登ったら、午後は島内のアート巡りも可能。見所たっぷりの島なので一日じゃとても足りないくらいです。
詳しい豊島の観光スポットは別記事で紹介しているのでぜひ参考にしてみて下さい。
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自然とアートの島【豊島】のおすすめ観光スポット10選♩
穏やかな瀬戸内海に浮かぶ自然とアートの島、豊島(てしま)のおすすめ観光スポットの紹介。
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まとめ

アートの島として人気が高い「豊島」ですが、壇山からの景色を知らずに帰るのはもったいない!
低山でも、頂上から見下ろす大海原。見渡す多島美。穏やかな瀬戸内海の絶景が待っています。
登山道は塗装された道なので、車や電動自転車で頂上付近まで行くことも可能です。(決して道路は広くないのと途中砂利道もあるので注意が必要ですが)
豊島は三年に一度の瀬戸内国際芸術祭の舞台になるアートの島でもありますが、同じ芸術祭の舞台ともなる周辺の小豆島や本島、粟島にもしま山100選に選ばれた山があるので、そんなしま山巡りの旅もおすすめです。

海を渡ると、そこは島時間。日常からちょっと離れて、島旅・山旅に出かけてみましょう。山から島を眺めれば、島の形や人々の暮らしの場、島を囲む美しい海や砂浜、遠くの島々まで見渡すことができ、その場をもっとみぢに、もっと好きになれるはずです。
公益財団法人日本離島センターHPより