香川県高松港から船で約40分
アートの島として人気の「豊島」は
自然もたくさん。
樹齢何百年という巨木も
実はたくさんあるんです。
今回はそんな食とアートの島で出会った
美しい自然、巨樹たちを
紹介して行きたいと思います。
01、香川の保存木指定
「 唐櫃のシンパク 」
こちらは平成5年に香川県の保存木第144号として指定されました。
樹齢は不明ですが、樹高14m、幹回りは3.54m。唐櫃地区にある立派なシンパクの木です。
貫禄のある佇まいで、根元にはお地蔵さん。
地元の方達にもとても大切にされているんだなあという印象です。
豊島美術館やマルチバスケットボールから近い場所にありますが、県道255線から一本はずれた道路なのでなかなか目の前を通ることは少ないかもしれないですが、ぜひ一目みてほしい木です。
■ 唐櫃のシンパク
香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃2474
02、家浦観音寺の「 大楠 」
家浦集落にある家浦観音寺は、豊島三十三観音霊場の第9番礼所。
現在観覧はできませんが、観音堂の中には香川県指定文化財の木造観音菩薩立像が保管されているそう。
そして観音堂のお隣には金刀比羅神社があり、この境内に巨大なクスノキが2本あります。
どちらも樹齢は不明ですが、自転車を思わず停めて見入ってしまう存在感がありました。やはりお寺の境内って、不思議な空気が流れていますよね。
「針工場」の近く、家浦港を出発して反時計回りに県道255号を進むと見えます。
■ 家浦観音寺
香川県小豆郡土庄町豊島家浦
03、薬師堂 首無し地蔵の「 大楠 」
家浦地区から反時計回りに唐櫃地区方面へ。途中の甲生地区にある甲生薬師寺にあるのが”首なし地蔵”と呼ばれる2体のお地蔵さん。
「頭が良くなる、頭の病気が治る」と言われ、願いが叶った暁には新しい首をもってお礼参りをするそう。足元には無数の首がゴロゴロと積み上げられていて、ちょっと不気味な光景。
しかし最近は合格祈願の学生さんもいるようでちょっとしたパワースポットなんだとか。
そんなパワースポット近くに佇むのは樹齢数百年と思われる立派なクスノキ。
道路から見上げても境内から飛び出るように葉や幹を広げる圧巻の大楠さん。
数年前、まだ自分が自然とか巨木が好きなんだという実感もまだないころ、初めて訪れた豊島で自転車を飛ばしていた時にふと見つけたこの大楠。
時間に余油がある訳ではなかったけど、吸い込まれるように自転車を降りて近くまで行ってぼーと見上げた巨体。
その大きさと、存在と、力強さにあっという間に心を奪われたのを覚えています。
あれから6年ぶりの豊島。どうしてもまた来たかったこの場所。
大楠はあの時のまま、変わらない姿で迎えてくれました。
甲生集落を優しく見守っているような姿。
この境内から見下ろす瀬戸内海や豊島の集落の風景も、またいいんです。
■ 薬師寺 首なし地蔵の大楠
香川県小豆郡土庄町豊島甲生451
04、十輪寺の「 銀杏の木 」
こちらは唐櫃地区。「ささやきの森」へいく途中に通りかかったお寺。
この十輪寺は大悲山宝珠院十輪寺と云い、高野山真言宗で、300年以上の歴史があるそうです。お堂「十輪寺護摩堂」は土庄町の文化財指定を受けているんだとか。
そんなお寺の入り口にどーんと構える銀杏の大木。
幹回りは3メートルといったところ。創建300年という歴史を物語っているような、勇ましい姿です。
秋になって大銀杏が綺麗に色付いた美しい姿を、またみに来たいものです。
■ 十輪寺の銀杏の木
香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃1127
Tel 0879-68-2052
05、豊峰権現社の森(スダジイの森)
「 椎木 」
しま山100選である”壇山”の中腹に突如として現れる「豊峰権現社(スダジイの森)」は、香川県の自然記念物に指定されていて、地元では「トトロの森」として親しまれています。
スダジイとはいわゆる椎木(しいのき)のことで、ブナ科の常緑広葉樹のこと。
これほどまとまったスダジイの群生が見られるのは、島嶼部では豊島だけだそう。
一番大きいこちらのスダジイは樹齢250年と推定されていて、樹高10m、幹回り4m、枝張り24mの大木です。
緑や苔に覆われた森は原生林のようで、一歩足を踏み入れればそこはまるで別世界。なんとも言えない神秘的な森の空気が漂う場所です。
自然好きには本当におすすめしたい場所です。
■ スダジイの森
香川県小豆郡土庄町豊島
最後に。
以上、豊島で出会った美しい巨木の紹介でした。
今回紹介したものはGoogleマップやガイドブックには載っていないものばかりで、自転車で観光の途中に偶然見つけた巨木ばかり。
きっとまだまだたくさんの自然や巨樹が眠っていそうな豊島。
初めて訪れた時には気づかなかった景色もたくさんで、アートの島にこんなにも多くの自然があることに正直びっくりと新たな発見の嬉しさでいっぱいです。
そして豊島は、周りのアートの島とも比べて「心臓音のアーカイブ」や「ささやき森」「豊島横尾館」などのメッセージ性のあるアートがたくさんあり、”生と死”について考えさせられる機会が多くあるんです。
そんな島だからこそ、この島に何百年と生きる巨樹たちの存在にもなんとなく感じることがいろいろとあった訳です。
改めて、アート好きにも、自然好きにも本当に堪らない島だなあと実感。
瀬戸内海に浮かぶ「豊島」。
アート作品があり、気軽に登れる山があり、原生林のような自然の森があり、巨木があり、お洒落なカフェやレストラン、写真映えスポットもたくさんある。
レンタサイクルも充実しているし、高松港(香川)や宇野港(岡山)や周辺の島からもアクセスできる。
とってもとっても素敵な島です。
ぜひカメラを持って、自分だけのとっておきの景色を探しに出かけてみませんか?
あなたにとっても素敵な発見が待っているかもしれません^^