北の最果ての離島、礼文島。
緑が美しい丘陵が連なる異国情緒あふれる景色に
海抜0mから高山植物が咲き乱れる花の楽園。
そんな礼文島の最高峰からの絶景を紹介します。
日本一低い高山帯の山「 礼文岳 」

特別な気候をもつ礼文島故に標高490mの礼文岳は、低山ながら標高350m付近で森林限界を超え、通常2000mを超える高山さながらの景色を楽しむことができる山です。
登山道も比較的歩きやすく山頂までは一本道。往復4時間ほどで登れる山なので、子供から大人まで気軽に楽しむことができます。

花の百名山、北海道百名山、新日本百名山、そしてしま山100選に選定され、360°のパノラマ広がる山頂からは樺太や利尻島のシンボル利尻山も見ることができます。

コースは初心者レベルですが、登山道に水場やトイレは無く山頂付近は天候が荒れることもよくあるので装備はしっかりと。夏場は生い茂る笹原やハイマツ地帯を抜けるので、肌の露出は避けるのがおすすめです。

登山口 〜 トドマツ繁る山道歩き

礼文岳の登山口へは路線バスを利用するのが便利です。香深フェリーターミナルから登山口目の前のバス停内路(ないろ)まで、約20分・620円で行くことができます。

登山口には7台ほど停められる駐車場もあり、時間を気にせずトレッキングを楽しみたい場合は車やバイクをレンタルするのもありです。礼文島は宿でもレンタサイクルを用意されている所も多いので、事前に確認しておくと良いです。

トイレは登山口の道路を渡った反対車線側にあり、自販機も駐車場の脇にあります。売店などは近くにはないので食料は事前に準備しておく必要があります。
駐車場奥の階段から礼文岳登山のスタートです。


スタートすぐは内路の集落や海岸線を振り返り見渡しながら歩いていきます。

登山口のすぐ目の前は海なのでほぼ海抜0mからスタートして、登山開始5分でもうこの景色って、テンション上がりません?

お隣の利尻島のシンボル、利尻山もひょこっとこんにちは。


また他のコースと比べて高山植物は少ないですが、それでも所々に咲く登山道を彩る花には癒されます。

最初はつづら折りの急勾配な坂道を100mほど進み、その後は笹原を歩きながら緩やかな樹林帯へ。

海抜0m付近から標高490mの山頂までジリジリと登っていくのが礼文岳の特徴です。

登山口から1km地点に到着。


しばらくはなだらかな樹林帯の中をひたすら進んでいきます。眺望はないですが、耳を澄ませてみたり立ち止まってみたり、足元や頭上を見上げてみたり。
森の中って、なんだか宝探しをしているような気分になるんですよね。

目で見て肌で感じて、匂いで感じて。
自然に身を置いた時の、あの五感が研ぎ澄まされていくあの感じを、静かな山歩きをしながら楽しみます。



前日の雨で足元はかなりぬかるんでいたので足元にもご注意を。

その日最初の入山者になると蜘蛛の巣にもたくさん出会います。
顔面蜘蛛の巣にならないように、蜘蛛にはごめんなさいですが木の棒を振り回して回避(笑)

この看板あたりでちょうど中間地点です。
以前は起登臼コースとの合流地点だったみたいですが現在は廃道のよう。標高220m付近、ここまで約1時間です。

しばらくなだらかな道が続くので、ずんずんと進んでいきます。
350m ~ 森林限界。景色は高山帯

標高300mを超えてくると展望が広がるポイントが増えてきます。

そして350mあたりで森林限界を超え、ハイマツ帯となっていきます。この辺りで景色はすっかり高山帯!


こんなわずかな標高でハイマツ帯の景色が見れるのは不思議な感じがします。これこそが礼文岳の最大の魅力。

第一見晴からは一気に視界が開けて目の前には山頂に向かって伸びる美しい尾根の道筋が見えます。緑がものすごく綺麗。

てっぺんを目指しここからは背丈ほどあるハイマツ帯をひたすらに掻き分けながら進んでいきます。
最初のピークを上り切り、登頂かとおもいきやそこは偽ピーク。ハイマツ帯を一度下り、もうひと山登ります。ザレ場になっていて滑りやすいので注意。
この辺りは天候によっては風がとても強く吹くことも多いので、足元をとられないようにゆっくりと進んでいきます。(私はしっかりとコケました笑)


ラストスパートのハイマツ帯を登り詰め、偽ピークからは約15分ほどで礼文島山頂へ到着です!

360°見渡せる 山頂からの眺め

遮るもののない山頂からは360°のパノラマ絶景が広がっています。

利尻山をはじめ、北にスコトン岬、金田ノ岬、久種湖、東に稚内や北海道本土、天気が良ければサハリンまでも見渡すことができちゃうんです。

礼文島の特徴であるなだらかな丘陵の景色。天気に恵まれれば、そんな島の全域を見渡すことができます。
山頂はそこまで広くはないですが、10人くらいは休憩できそう。お昼ご飯やおやつ休憩には充分です。

登山道は一本道なので、帰りは来た道をピストン。帰りは1時間半ほどの道のりです。

バスで来ると帰りの時間が気になりますが、路線バスは本数が少ないのでかなりハイペース(往復3時間弱)で行くか一時間くらい待つかのどちらかになってしまうので注意です。
時間に余裕があるなら焦らずゆっくり山歩きをするか、下山してそのまま歩いて高山植物園なんかに行くのもおすすめ。
山に行かなくてもその季節によって様々な高山植物を見ることができます。自然に咲く季節には行けなくても8月中旬くらいまでなら礼文島の固有種レブンアツモリソウも見ることができます。

礼文岳登山まとめ

海抜0mから高山植物が咲く特別な気候をもつ礼文島。そして島の最高峰である礼文岳は標高350mで森林限界を迎える日本一低い高山帯の山とも言われる特殊な山。
往復3時間半で、本州なら一日かけて歩くような2000m級の高山の景色が楽しめる、そして山頂からの絶景。おまけに比較的歩きやすい。控えめにいって最高なんです。礼文岳。

個人的には礼文島は歩いてこそ島の魅力を知ることが出来る島だと思っているので、礼文岳は普段登山をあまりしたことのない方でもぜひおすすめしたい山です。
またこの礼文岳の登山コース以外にも礼文島には様々なトレイルコースが整備されています。距離や難易度も様々ですが、どのコースも素晴らしい景色で溢れています。
時間が許すならぜひ歩いて礼文の自然の綺麗さ、日本離れした美しい丘陵、青い海、咲き誇る高山植物など島の魅力をたっぷりと味わってみて下さい。
・礼文島トレイルオフィシャルウェブ
https://rebun-trail.jp
・礼文島トレイル7map
https://rebun-trail.jp/trailmap/